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2019-03-26 16:54:00
石徹白Life452日目【大師堂と銅像虚空蔵菩薩坐像】まるで玉手箱のような集落内のスポットや歴史的経緯や、自然にあふれる石徹白です。
 
春からの行楽シーズンに向けて、様々なお問合せが増えております。
 
今回のご質問は・・・
 
「大師堂の虚空蔵菩薩を拝観できたらと考えているのですが、
事前予約をすれば拝観可能なのでしょうか?」
 
はい。もちろんです。
先日、ちょうど講元の上村修一さんにお話しを伺うことができました。
あわせて、ちょうどいい機会なので、
気になっていることやつながりを調べたりして、まとめてみました。
 
長文ですが、石徹白で大師堂や虚空蔵菩薩坐像を拝観する際の
お役に立てたら嬉しいです。
 
こういうものをまとめたり、学び合っていくことで、
石徹白らしいガイドブック作成やポータルサイト構築。
さらには、里山ガイド養成をしていきたいものです。
それでは、ご覧下さい。
 
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大師堂(たいしどう・岐阜県郡上市白鳥町石徹白)と虚空蔵菩薩坐像(国の重要文化財・銅像)
 
717年(養老元年) に日本三霊山の一つである「白山」を開山した泰澄大師に関わりが深く、
36才時の自作像、大師の母、伊野姫像などが祀られています。
毎年、3月18日の泰澄大師ご命日ほかのご縁日には催事があります。
 
平安末期~鎌倉初期の1185年に白山を深く信仰していた
奥州藤原氏の三代秀衡が寄進奉納した
「虚空蔵菩薩坐像」(銅像)が安置されています。
※白山中居神社の社伝によれば、運ばれた年は、
元暦元年(1184年)とされています。
 
この仏像は当時を代表する工芸品として貴重なものであり、
岐阜県下一の秀作であり、「国の重要文化財」に指定されています。
 
奉納当時は「白山中居神社」に安置されましたが、
その際には「上村十二人衆」と称する選りすぐりの家来をこの地に派遣し、
この大事な「虚空蔵菩薩坐像」を守らせたとされています。
 
最近の研究で「源 頼朝」の追尾を受けた「源 義経」が
奈良吉野山から奥州平泉への逃避行の途中石徹白に逗留し、
雪解けを待ち脱出した可能性があるとも言われ、
石徹白に残る伝承にもそれを示唆する記述が見受けられます。
 
子孫の方々は、その後もこの仏像を争乱、一揆、打ち壊し、
火災、盗難などから大切に守り続けてきました。
 
特に明治4年の神仏分離令の際には、
白山中居神社にあった仏像仏具が廃棄されそうになったため、
その保存先として石徹白の村人たちによって「大師堂」が造営され移し祀られています。
その際に「大師講」という講を作り、以来、今も引き続きこの仏像を大切に守っています。
 
講元(2019年3月現在)である上村修一さんによれば、
文化庁による全国の文化財調査が行われた際、
この虚空蔵菩薩坐像は即座に国の重要文化財となることが決定。
1971(昭和46年)6月22日のことでした。
 
奉納から長く時間が経ち、こうした奥州との関わりや大切にされてきた経緯も
石徹白住民以外には知られないままとなっていました。
奉納から795年後の1980(昭和55)年になって、中尊寺(岩手県)も含め平泉側の人々が
この仏像の存在を再認識しました。
 
それは重要文化財になるにあたって、火災や盗難から守るために
鉄筋コンクリートの保管庫に収める必要がでてきました。
それまでの大師堂に置いておけなくなったことから、
虚空蔵菩薩のお姿を写した「掛け軸」を飾ろうということになりました。
その掛け軸の虚空蔵菩薩の「開眼供養」をお願いするために
上村さんが「中尊寺」に連絡を取ったことが、
平泉側に知られることになったきっかけだったとのこと。
 
 
1986(昭和61)年、「藤原秀衡公・源義経公・武蔵坊弁慶八百年御遠忌特別大祭」
4月20日~11月10日までの205日間にわたり開催。
 
その期間中に、石徹白の大師堂に安置されている「虚空蔵菩薩坐像」が、
岩手県平泉中尊寺に里帰りし、秀衡の秘仏「一字金輪仏像」と並座公開される。
その際には、中尊寺の表参道・月見坂付近に
石徹白(岐阜県郡上市白鳥町)から運ばれた「アカメガシ」が植樹されている。
 
 
2004(平成16)年10月、「虚空蔵菩薩坐像」が、
「国宝中尊寺展」のために大師堂から出され、
佐川美術館(滋賀県)で10月9日~11月7日まで一般公開される。
 
大師堂には織田信長や柴田勝家などの戦国武将が寄進した鰐口や仏像など、
多くの仏具類も重要文化財に指定されています。
 
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「大師堂」たいしどう
 
◆住所 〒501-5231
岐阜県郡上市白鳥町石徹白祠山 4(中在所)
 
◆駐車場:あり(普通車3台)※冬季は降雪のため狭くなっています。
 
◆アクセス
車)東海北陸自動車道「白鳥」インターから車で35分
※冬季(11月下旬~4月中旬)は凍結と降雪あり。
4輪駆動およびスタッドレスタイヤは必需品です。
 
電車+路線バス)名古屋から約3時間30分
岐阜駅から高速バス(岐阜乗合自動車)で郡上白鳥駅にて、路線バス(白鳥交通)に乗換。
または美濃太田駅から長良川鉄道にて郡上白鳥駅。
※路線バスは1日3本のみで月曜から土曜まで運行。日曜日は運休。
昼便は乗車1時間前までに電話予約必須。TEL:0575-82-5311
 
白鳥交通)https://www.shirotori-kotsu.com/定期路線バス/石徹白線デマンド/
 
 
◆文化財の拝観(4月~11月の積雪が無い時期のみ可能)
講元の上村修一宅(0575-86-3143)まで事前の予約が必要です。
 
※必要事項:拝観希望日時、人数、代表者氏名、連絡先
※拝観料はお志を各自でご準備ください。
※積雪の有無に関わらず、大師堂への参拝は可能です。
厳冬期は1m以上の積雪がありますので、足元などご注意ください。
 
◆銅像虚空蔵菩薩坐像の解説文(国指定文化財等データーベースより)
 頭、体部、膝張の均合がよく、安定した正面観を示す等身の金銅像で、
その根幹部を合わせ型で一瀉に鋳込み、これに髻、両腕、膝部など別鋳のものを
矧付ける鎌倉時代に共通する技法によっている。
光背、台座は像と一具のもので、光背は完好、台座は框を欠くのみで、
蓮弁をその大半が現存している。
奥美濃の高賀山を中心とする地域には中世以降虚空蔵信仰が盛行し、
今もその本地仏や懸仏の遺品が多く残されているが、
本像はこれらを代表するものであり、さらに鎌倉時代の金銅仏の中でも
光背、台座の完存する大作として注目される。
 
写真はNPO法人やすらぎの里いとしろのホームページから拝借しました。
 
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◆泰澄(たいちょう)大師
天武天皇11年6月11日(682年7月20日) - 神護景雲元年3月18日(767年4月20日))は、
奈良時代の修験道の僧。
「白山」を開山したと伝えられ、越(こし)の大徳と称された。
 
===以上、随時更新予定。間違いなどありましたら、教えてください。
 
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大師堂 直近の予定)
2019年3月18日(月)
毎年、3月18日は泰澄大師の命日で催事あり。午前9時~11時。
地域住民に加えて、一般参加も可能です。
お志を添えて。防寒着と長靴必携。
 
 
 

 

190315虚空蔵菩薩坐像ー石徹白ー大師堂ー1185年に藤原秀衡が寄進.jpg