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森の遊学舎/こめらの森・南会津につながる皆様へ
こんにちは。大西です。
暑い夏がはじまりました!
子ども達と共に
今年3回目の佐渡島へ向かっています。
8月1日~8日まで野人キャンプです。
日々の報告はFacebookページなどでご覧ください。
https://www.facebook.com/ugaku/
早速ですが、
2014年11月1日からの1年間で、実施された保養について
私達も調査に協力させていただきました。
その報告書がまとまり、送られてきましたので、
みなさんにも共有します。
震災以降、ずっと続けられている
「保養」の実態について。
これだけ膨大なデーターをまとめるだけでも
たいへんな労力です。
編集者のみなさん、お疲れ様でした!
ありがとうございます。
子ども達やご家族の、
そして一人ひとりの笑顔につながっていくことを
心から願っています。
++++++下記が報告書3枚目に掲載している要約です++++++
1 ボランタリーな活動として全国に広がる「保養」
2014年11月1日からの1年間で、29都道府県で保養が実施された。地域別に見ると、北海道・関西での保養受け入れが多い。
保養を行う団体のうち69%が任意団体であり、2011年の事故後に立ち上がった団体が多い。
中心となって保養団体を運営するスタッフの数は、1団体あたり5~10人が最も多く、有給スタッフを持たない団体が69%であった。
有給スタッフを持つ団体のうち83%が保養以外の事業を行っていた。
ここから、保養が基本的にボランタリーな活動であることが読み取れる。40代~50代の女性が保養運営スタッフの多くを占める。
これに対し、チェルノブイリ原発事故後のウクライナにおける保養は、国家主導で行われており、専門家や
「ウジャーテ」と呼ばれる若手の教育大学出身者が、仕事として子どもに関わるという体制であり、日本とは大きく異なる。
2 寄附金に頼らざる得ない現状と、参加者交通費の負担
収入については、71%が寄附金で最も多くを占め、助成金が15%、参加者の参加費が4%であった。
ここから、保養活動が事業収入や公的な補助金ではなく、寄附金に大きく頼った活動であることが分かる。
多くの団体において寄附金収入は年々減少の傾向にある。支出については、参加者の交通費が40%と一番大きな割合を占めた。
3 保養の需要と、マッチングが十分でない現状
プログラム型における1プログラムあたりの平均参加者数は27.2人であり、1プログラムあたりの平均滞在日数は5.3日である。
プログラム型への応募者数は6290名、そのうち参加者数4607名であり、希望して申し込んだ応募者の内、7割程度の人しか保養に行けていない。
参加者に対して応募者が超過した場合の対応は、36%が先着、17%が保養未経験者優先、15%が抽選、9%がリピーター優先となっている。
ウクライナでは「保養庁」が存在し、全国の州に対しどんな保養が必要かニーズ調査を行い、この調査をもとにプログラム内容や人数を決めて、
入札を行う。保養施設ごとに、州・地域別の参加人数が割り当てられるため、その人数に従い「子ども委員会」がマッチングを行う。
一方で、日本における保養は民間の取り組みのため、十分なマッチングを行うことができていない。
4 保養への参加は15000人以上
滞在施設型の受け入れ人数4694人とプログラム型の参加者数4607人とを合わせると、107の受け入れ団体で合計9000人強が保養へいったことになる。
全国で234団体以上が保養を行っていることと、リピーターを考慮すると、約15000人以上が2014年11月1日から2015年10月31日の間に、
受け入れ支援団体を通して保養に行ったと推測される。
保養の参加条件としては、保護者同伴が最も多く、共働き世帯やシングルマザーなどは保養に行きにくい現状である。参加者の居住地としては、
福島県中通りが最も多く、次いで浜通りである。
一人あたりの受け入れにかかる費用が直接費・間接費含めて、1プログラム(1滞在)あたり平均70,391円
(内40%が参加者交通費。滞在日数と実施場所の距離に応じて比例傾向)である。
5.資金・スタッフの不足と、行政による支援
主要な課題として、「活動のための資金が不足している」を挙げたのが28団体、「スタッフの人数が不足している」を挙げたのが17団体であった。
二番目に多かった「原発事故や支援に対する関心が低下している」(18団体)は、資金不足とスタッフ数不足の主な原因ともいえるだろう。
他方で、主要な改善希望点は、「国や自治体で保養を行ってほしい」が32団体と突出して多かった。当事者の需要があるため、
行政の代わりに保養受け入れを続けている団体が多数であるといえる。
現在、避難指示の解除が進められており、自主避難者が住む借り上げ住宅(約1万3000世帯、約2万5000人)の無償提供も
2017年3月で打ち切るとの方針が福島県を通して示されている。こうした状況のなか、
不安を抱えたまま帰還することになる保護者から「帰還しても保養へ行きたい」という問い合わせが、
保養団体に数多く寄せられている。原発事故から5年経て、保養活動に対する行政による支援の必要性が改めて問われている。
160801保養実態調査報告書_最終.pdf (1.41MB)
160801保養実態調査報告書_最終.pdf (1.41MB)