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【ご質問への回答】核(原発)事故後の外遊びや現状について。
Facebookにて林雅巳さんから以下の質問をいただきました。
こんにちは。ご無沙汰しています。
福島では普通に生活されている場所でまだ子供たちに「外遊びを控えさせる」必要がある場所がたくさんあるのでしょうか?
そちらで生活されている方には失礼な質問かもしれないのですが、多くの人が同じように感じるかもしれないので、あえて質問させてください。
こういった質問とその回答は誤解を招くかもしれないと思うので問題があればメッセージでご連絡いただければと思います。
当時のことは忘れていないし、何かできることがあればやりたいという気持ちに変わりはありません。周りにもそんな人がたくさんいますが、こちらで状況を正確に知ることは難しいのです。
===回答はこちらから。
林さま
こんにちは。大西です。
丁寧におもいやりのある言葉を紡いでくださっていることに、
私達の現状を理解しようという一貫性を感じます。
そして、同時に、あえて公開で質問をいただいていることに、
整理整頓して伝えられる場をいただけた喜びを感じます。
ワタシの体験や感じていることや知っていることが、
「福島」を代表してはいません。
しかし、その一部分であることは確かです。
2児の父親として、また保養支援団体の主宰者として、
福島県であり、日本列島に住んでいる一人の人間として。
文章だけでは伝えにくい、伝わりにくいこともありますので、
可能であれば、座談会・講演会を企画いただければ、
都内近郊でも、他の場所でもどこでも伺います。
・・・とはいえ、この場で書けることを。
インターネットの便利さと難しさの両刃を
理解してくださっていると思いますので、
おおざっぱで申し訳ありませんが、まずはご覧ください。
> 福島では普通に生活されている場所でまだ子供たちに「外遊びを控えさせる」必要がある場所がたくさんあるのでしょうか?
◆土壌測定の結果から
回答は「はい!」であり、
また場所によっては「いいえ」でもあります。
まず地理的に「福島」がどこであるか、
「福島県」というくくりでしたら、上記のようになります。
もっと細かく市町村ごとに分けても、同じくです。
さらに、「外遊びを控えさせる」かどうかの判断基準は、
ご家庭ごとに全て違うといっても過言ではありません。
その意味では子ども1人ずつ状況が違います。
また放射性物質の拡散は「福島県」にとどまらず、
首都圏全域にも降り注ぎ、現在も、現在も止まってはいません。
たとえば福島県の南会津よりも、
群馬県や長野県などにも土壌線量が高い地域も見られます。
比較する対象やその方の判断基準によって
「放射線量」が高い低いという言葉の使い方は違いますので、
その背景も重要になりそうです。
※みんなのデーターサイト(東日本土壌測定プロジェクト)
====
もっと言えば、震災当時に北半球は10日~2週間で
放射性物質の降下が認められ、一部は南半球まで到達しているとの
データーもあります。
◆東京電力福島第1原子力発電所事故における
地球規模での放射性核種の拡散
https://www.jaea.go.jp/04/iscn/org/ctbt.html
===
外遊びの場所について。
夏休みも近いので、海のデーターをご紹介します。
◆砂浜の放射性物質測定結果
福島県いわき市96~160 bq/kg(セシウム134+137)
茨城県北茨城市204 bq/kg(セシウム134+137)といった
東京電力福島第一原発(核)事故による被災地に比べると、
神奈川、京都、和歌山、鳥取、島根、高知の 砂浜では、
低い数値であり、セシウム137だけが検出されているようなので、
今回の事故の降下はごく薄く、
1960年代あたりの核実験による降下が考えられます。
認定NPO法人 いわき放射能市民測定室 たらちね
http://www.iwakisokuteishitu.com/sandy_beach.html
===
日常生活においても
◆掃除機ゴミの放射性物質(セシウム)測定結果
http://www.iwakisokuteishitu.com/pdf/tsushin011.pdf
※福島県いわき市平25800 bq/kg(セシウム134+137)
※茨城県北茨城市2000 bq/kg(セシウム134+137)
※東京都渋谷区198 bq/kg(セシウム134+137)
※奈良県天理市 不検出(検出下限値(Bq/kg)Cs137→4.2Cs134→4.7)
===
◆100ベクレル/kg以上を放射性廃棄物として管理することをうたった法令
http://www.radiationexposuresociety.com/archives/1560
>>>セシウム134とセシウム137の濃度の合計が100ベクレル/kgを越えると、低レベル放射性廃棄物として管理しなくてはいけない。
===
福島県に関わらず、放射性廃棄物として管理しなければならないモノがある場所で、暮らし、学び、遊んでいる。
こうした現状の中で、
◆小児甲状腺がんおよび疑いの子ども達は190人で、
報告の度に増加の一途です。
http://www.sting-wl.com/fukushima-children13.html
※引用
2017年6月5日に公表された最新の福島県民調査報告書によると、
福島県の小児甲状腺がん及び疑いの子供達は、
3か月半前…前回の184人から6人増えて合計190人になりました。
この小児甲状腺がん検査結果には2つの問題点があります。
まず1つ目の問題点は後から詳しく解説しますが…
福島原発事故前まで日本国における小児甲状腺がんは
年間100万人に0~3人で推移してきました。
しかし今回の福島県の調査では年間100万人に
301~401人と従来の100倍を超える小児甲状腺がんが見つかっています。
100万人に0~3人
↓
100万人に301~401人
この小児甲状腺がんの増加…というより多発を
単にスクリーニング効果つまり「福島県の子供たち全員を対象に
検査したことによって潜在的な甲状腺がん患者が
たくさん見つかったからだ」の一言で片づけられるのか?という問題です。
2つ目の問題点は2本格検査と3本格検査で見つかった
甲状腺がんと考えられる合計75人中68人の子供達は、
数年前に1先行検査を受けた際、
甲状腺に「問題があった」ことを示すC判定やB判定ではなく、
「問題なし」のA判定された子供達だったということです。
===
震災直後から避難したり、保養したり、
子ども達をなんとかしたいという親御さんやおじいちゃん、おばあちゃん、
大人達にたくさん出逢ってきました。
それが以下のデーターや参加者の声にも表れています。
◆保養実態調査(うけいれ全国&リフレッシュサポート)
現在も年間延べ9000人以上が民間の支援を通して保養に参加していますが、
公的支援はほとんど存在せず、団体収入の平均70%以上が寄附金で運用されてます。
七年目を迎え多くの団体が資金・人材ともに無理をしながら続けているのが現状です。
http://www.311ukeire.net/michishirube.html
===
■保養参加者の声: https://goo.gl/fMRbR6
夏休みを前にして、「保養がだんだん減ってくるのではないか。続けてほしい」という
切実な声が福島の保護者さんや子どもさんから毎日聴こえてきます。
===
◆保養に公的支援を求める要望書(リフレッシュサポートほか)
そこでこのたび、保養実態調査(上記)から見えてきた現状を踏まえ、
保養に関わる108団体で連携し公的支援を求める要望書を提出しました。
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「外遊び」への不安を抱えながらも、
帰還したり、暮らしている姿も見えてきます。
◆保養のニーズと継続への思い
意見交換会・記者会見資料
2017年6月26日 参議院議員会館
リフレッシュサポート
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◆保養相談会
森の遊学舎/こめらの森・南会津も28回参加している
保養相談会には、毎回多数の参加者があります。
https://www.facebook.com/pg/ugaku/photos/?tab=album&album_id=672340872775981
【活動報告】保養と移住の相談会2017年6月3日(土)いわき市、6月4日(日)二本松市
https://www.facebook.com/takuya.onishi.50/posts/1361985573896520
全国から35団体以上がブースを出し、 10団体以上が協力した相談会。
全体での来場者は
6月3日:いわき会場の来場者144組344名
6月4日:二本松会場の来場者98組225名となりました。
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こうした現状の中で、
◆こめらの森・南会津
私達は年間で50日間、保養ができる場を創ろうと活動してきました。
2011年から開催している保養キャンプは
これまでに47回実施。
延べ197家族、311人、1846泊以上が利用した実績があります。
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◆チェルノブイリ現地レポート
保養キャンプを主宰している友人がベラルーシに行った際の報告です。
日本の現状との大きな差が見えてきます。
ドルフィンキャンプ チェルノブイリに行く
その1 )
http://www.kidsdolphincamp.com/blog/2016/2/6/clqs1zcrfcxvif49qdfzjhemvbom6k
その2)
http://www.kidsdolphincamp.com/blog/2016/2/10/gnzg2l7111m10ny4xa3zkefgbmun8x
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◆30年後も現在進行形
チェルノブイリ原発(核)事故から31年が経過しましたが、
現地に通い続けている日本人医師からは、
「チェルノブイリもまだこれからです」との言葉や、
「現地では保養参加者だった子どもが、
今は保養を主宰している。」との話も聴きました。
===
事故後7年が経過した日本列島では、風化も進んでいますが。
まだまだ政府でさえ緊急事態宣言は出されたままです。
現実を見据えて、長期スパンで関わり育む仕組み体制、法的整備などが
必要だと感じています。
===
長くなりましたが、これも氷山の一角です。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます!
可能でしたらぜひ林さんやお仲間の皆さんに
お会いしてお話しできる機会をいただきたいです。
お互いの想いや現状への理解を深め、
今後の流れ、未来への一歩を共にさせていただけると嬉しいです。